Visual Merchandiser(ビジュアルマーチャンダイザー)って聞いてことはありますか?

どのような職種かと言うと、早い話が「ショップディスプレイのスペシャリスト」です。
ビジュアルマーチャンダイザーの仕事は、店舗やショップのウィンドウ、つまりお客様が商品を見て、選び、購入する場所で、商品を陳列し、アレンジします。
この仕事は19世紀に始まりましたが、最近になってファッション業界では欠かせない存在になりました。
ビジュアルコミュニケーション、美学、販売分析、販売促進活動の企画など、
さまざまな要素を的確に組み合わせ、ブランドのアイデンティティを尊重しながら、アパレルやアイテムをきれいに整理して仕上げることが、店舗のイメージアップにつながるのです。
1930年代には、大型店のウィンドウは、映画やスターシステムを意識したもので、
そういった流行の映画等からインスピレーションを受け、反映されたものが多くありました。
実践的なスキルとマーケティング知識は数十年の間に洗練されてゆき、伝統的なウィンドウドレッサーは次第に、現代で言う「ビジュアルマーチャンダイザー」へと変化していきました。
この仕事は細やかで複合的スキルが要求されます。
世界に名だたる有名なファッションデザイナー達も、多くの方は、最初はビジュアルマーチャンダイザーとしてキャリアをスタートさせていたりします。
若き日のジョルジオ・アルマーニは、ミラノの百貨店「ラ・リナシェンテ」でウィンドウ・ドレッサーとして働き、ファッション業界のキャリアをスタートしています。
同じ頃、ラルフ・ローレンはニューヨークのブルックス・ブラザーズで、セールスアシスタントとして働き、後に世界中に展開する自身の店舗のデザインに落とし込むのと同じように、細部にまでこだわった商品の配置を行っていたのです。
ビジュアルマーチャンダイザーに必要なスキルとは何でしょう?
すばり、確かな基礎技術(色彩理論、照明技術)、視覚センス、芸術的センスに加え、マーケティングと心理学の知識も必要です。
優れた店舗ディスプレイは、視覚だけでなく、できるだけ多くの感覚を刺激する必要があります。
衣服や生地に直接触れること、香りやアロマ、そして店舗体験を盛り上げるための音楽の選択など、すべてがブランド、店舗のタイプ、そのターゲット層に合致している必要があります。
しかし、決定的なスキルは、顧客の行動を調査する能力です。
すべてのビジュアルマーチャンダイザーは、特定の行動とパフォーマンス指標を通じて顧客を観察し、監視します。
ビジュアルマーチャンダイザーになるには??
ここ数十年で完成されてきたこの新しい職種であるビジュアルマーチャンダイジングは、
通常、専門学校やクリエイティブアカデミーなどで学べるようになってきました。
Istituto Marangoni MilanoのVisual Merchandisingの3年コースは、同校のファッションスタイリングコースの中のコースに分類されます。
このコースでは、ファッション小売市場や、コミュニケーションと販売チャネル(今は特にSNSなど)におけるブランドの位置づけ、その他あらゆる側面について、深く分析することから始まります。
アルマーニやラルフローレンは、ウィンドウディスプレイを作ることで、ファッションに個性を打ち出す才能を発揮しましたが、ビジュアルマーチャンダイジングは、それ自体がクリエイティブな仕事として、キャリアとして成功した方々は数知れず!
シャネル(ヴァンドーム広場18番地)、ルイ・ヴィトン、ブルガリ(ニューヨーク5番街旗艦店)のユニークなショップウィンドウを手がけるクリエイターとして成功した、並外れた才能と個性を持つ伝統的建築家のピーター・マリーノは、ビジュアルマーチャダイザーとして世界的に成功した1人です。
